にきび治療最前線

皮膚科処方の最新にきび治療薬からにきび治療掲示板まで。大人のニキビに悩んでいた医師がニキビに悩む全ての患者にエールを送る池袋のニキビ治療専門外来医のブログ。※左下の興味あるカテゴリーから入ると便利です

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ホルモン治療の効果についての問い合わせが多いため、1つ文献を紹介します。

[Treatment of acne with an antiandrogen containing contraceptive] Borgyogy Venerol Sz. 1988 Jun;64(3):125-30. Related Articles, Links

18人の平均年齢21歳の女性に低用量ホルモン剤(当院で使用しているダイアン)を使用し、12ヶ月間観察した試験です。18人中14人が治癒、残り4人が改善しました。再発は7人に見られましたが、治療を始める前の状態に戻ったひとはいなく、治療前よりも良い状態でした。再発を認めた患者には、さらに12ヶ月を超えての投与がなされています。

この論文に対する私の意見です。
この論文では100%の患者に効果を認めています。ダイアンに関しては、今まで3つの大きな試験がなされており、3つをあわせると、延べ2000人以上のニキビ患者が試験に参加しています。おおよそ6ヶ月の投与で70%の改善率、9ヶ月で80%、12ヶ月で90%となっています。当院では、ダイアンの他にも他のホルモン剤や、スピロノラクトンなどの抗アンドロゲン剤、アダパレン、アゼライン酸等、確実にニキビに効果のある薬剤を使用、併用していきますので、さらに改善率のアップが望めると考えています。

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ある調査では、にきびはストレスで悪化すると感じている人は、にきび患者の78%にのぼります。ストレスという実態のない個人差のあるものを、尺度で計測することは不可能なので、ストレスとにきびの悪化の因果関係は、医学的にははっきりしていません。ですが、逆ににきびが原因で、ストレスを強く感じることは多いと思います。ある種のスコアを使って、ストレス(感情)を評価した試験では、にきびが重症であるほど、感情に悪化がみられることが示されています。

私自身、にきびが良くなったり悪くなったりで、一喜一憂していた頃がありました。そのため、にきびを持つ患者さんの気持ちは良くわかります。

ですが、一喜一憂するのではなく、前向きに治療をしていくことが大切です。また、一度完治または、良くなっても、再発したり、悪化したりで非常に落ち込む患者さんがいますが、にきびは長い人では数十年付き合っていかなくてはならない病気です。私は患者さんには、再発すればまた、前向きに治療するように説明しています。よほどのことをしない限り、元のひどい状態まで戻る患者さんは数パーセントもいません。

ストレスを感じたときは、それに向き合い、何がストレスなのかを言葉に出して言ってみてください。その後に、その問題について具体的な目標を立ててください。そうすることだけで、ストレスの解決能力を高めることが出来ます。また、ストレスで無意識に顔を掻いたり、頭を掻いたり、にきびを触ったりする行動があれば、意識して止めるようにしましょう。

ストレスを解決する治療をメンタルケアと呼びます。通常治療とメンタルケアを併用した患者と、通常治療のみの患者では、通常治療とメンタルケアを併用した患者のほうが、にきびの改善率が30%以上も高かったと報告されています。

医学的にはストレスとにきびの関連は証明されていませんが、治療のひとつとして、ストレスを解決することを普段から心がけてください。

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にきび治療薬アダパレン(ナフトイン酸誘導体で、レチノイン酸様の作用を有する)の治療効果については、前回のアダパレンのにきび治療への効果で述べました。
アダパレンの安全性に対する評価については、動物実験で行われており、きわめて高用量の経口投与(飲み薬としての投与)において、胎児の催奇形性、ビタミンA過剰症としての骨、腎障害が認められましたが、経皮投与(塗り薬としての投与)では、通常人間に使用する50倍以上の投与量でも、上記の全身的な副作用は、全く認められませんでした。

また、日本で健康な成人男子を対象に、アダパレンの経皮投与を行ったところ、アダパレンの血中への移行は認められなかったとの結果になっています。

この結果に対する私の意見です。アダパレンは有効性はレチノイン酸と同等であり、さらに皮膚への刺激性の少なさや、その安全性から、日本でも認可される日は近いと思います。当院では、アダパレン単独のみで治療することもありますが、重症な場合は、ホルモン療法や、イソトレチノイン療法に加え、アダパレンを併用していきます。上記の実験の結果では、まず通常量でアダパレンを使用する限りは、催奇形性の問題は非常に少ないと思われますが、当院では、女性にアダパレンを使用する際は、念のために、妊娠していないことを確認し、避妊をすることを徹底してもらっています。

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2005年に発表されたスピロノラクトン(男性ホルモンの受容体をブロックする作用をもつ薬)のニキビに対する効果についての論文「Effects and side-effects of spironolactone therapy in women with acne」を紹介します。

28人の女性(平均年齢21歳)のニキビ患者にスピロノラクトンを投与した結果、24人(86%)に著明な改善が認められました。残りの4人は全く改善しないという結果でした。28人以外に、副作用で服用を中止しなければならなかった患者は、2人でした。

私のスピロノラクトンに対する評価は、スピロノラクトンはざ瘡に対して著明な効果を示しますが、再発率は高いという印象を持っています。ですからニキビが治癒、又は寛解後の治療、スキンケアが大切になっていきます。スピロノラクトン単独で治療することも多いのですが、やはり一番効果的なのは、他のホルモン療法や、局所療法と併用することでしょう。効く人には劇的に効果がありますが、効かない人には全く効果がなく、効く効かないが2つにきっかりと分かれるのも不思議なところです。

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にきびを消毒する薬が市販されているのをよく見かけます。ピンポイントににきびに付けられるようになっているものもあります。また、一般の傷消毒薬(マキロン)をにきびに塗っている患者にも会ったことがあります。消毒をすれば、アクネ菌が死滅し、にきびが早く治るのではないかと思っている方が多いのですが、実は消毒は百害あって一利なしなのです。

消毒薬は細胞傷害性といって、雑菌を含む生きた細胞を傷害する作用があります。人間の皮膚も生きた細胞で作られているわけですから、消毒によって皮膚は痛めつけられ、皮膚炎を起こしたり、ひどい場合は潰瘍になってしまう場合もあります。にきびに使用すれば、にきび痕になったり、色素沈着を起こす可能性があります。

皮膚を念入りに消毒しても、1時間後には消毒前の雑菌だらけの状態に戻っていることが報告されています。「傷を消毒する」ことは医学的に無意味であるだけではなく、傷の治癒を遅らせ、人によってはアレルギー反応を引き起こしたり、白血球やマクロファージなどの免疫細胞を死滅させることで、かえって感染を助長させる可能性もあるということがわかっています。傷は消毒しないということは、すでに医学的常識になっています。にきびの消毒にも同様のことが言えると考えています。

当院の方針として、にきび患者が消毒薬を使用しないように注意しています。きれいに治すためにも、消毒薬はおすすめできません。

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